2022年7月1日金曜日

桑名市多度町 古野の六角地蔵

多分この石幢が三重県の最北に残る石幢だろうとおもいます
桑名市多度町古野 県道と並行して延びる旧道に沿って南条という集落が広がっています
民家の連なりが切れたところに 立派な六角堂が見えてきました
中を覗き込んでみると 美しい六地蔵石幢がお祀りされています
御堂の前の案内板から引用させてもらいます
「六角地蔵」
御堂の中の地蔵尊は六角の花崗岩の各面に、地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人・天の六つの善悪の業を救済する姿を薄肉彫りにしたものです。
あまり見られない貴重な御尊像で、村人はもちろん近在の人々に厚く信仰されています。
(伝説)
むかし、一人の行者が員弁郡中津原のススキの中で倒れていた地蔵を見つけ、それを背負って一之原、前山を通って古野の山まできたとき、「もうここで、結構だ」というお地蔵様の声がしたのでそこにおろしたということです。
また、あるとき古野の年貢米を、香取の土場から船で出そうとすると、おりからの突風で船が沈みそうになりました。そのときお地蔵様が「古野の米を運んだ船が沈むぞ」と大声で三回叫びました。その声を聞きつけて古野の若い衆が、その場にかけつけ、おかげで難を救うことができたといわれています。
さて、以前は前の山(肱江川の南)に安置されていましたが、明治時代になって現在の場所に移されました。
今でも八月二十四日の地蔵盆には、村の青年会や南条の人びとは、お供え物をし、盛大に供養しています。
なお、現在の建物は昭和五十二年三月に建て替えられました。
                 桑名市教育委員会

三重県のホームページにある「伝えたい三重のおはなし」の中でも 多度町の「六角地蔵」として紹介されています
花崗岩と紹介されていますが 閃緑岩のような青石に見えます
僧衣の裾を大きく開いた地蔵さんが 薄い肉彫りで彫られています
ごく小さな手をした地蔵さんらで それぞれに持物を持っているるのですが それらもとても小さく形作られているようです 
笠石は当初のものかとおもいますが 形がいびつで宝珠の形も少々へんです
枠取りの縁に荒々しいノミの痕が残っているところも不思議ですね

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