加太梶ヶ坂 常光寺へと続く緩い参道を登っていく
民家とさほど変わらない見かけの素朴なあじわいのお寺でした
本堂の前に地蔵さんと並んで重制の石幢が祀られています
この石幢は元は別の場所にあって道路拡張にともなってここに移されたといいます
六地蔵石幢は旧街道に沿った場所に残されていることが多く
特に伊勢参宮のルートと重なっていることが目立ちます
この常光寺の石幢もおそらく寺院や墓地ではなく大和街道の沿線という立地を選んで造立されたものだろうとおもいます
奈良に都が置かれていた頃は この大和街道が東海道でした
都が平安京に遷ると近江から鈴鹿峠を越える阿須波道が官道としての東海道と定められますが その後も大和街道は東海道の脇街道として多くの旅人が通った道だったろうとおもいます
地元では「六角地蔵」と呼ばれているようですが 重制石幢の龕部だけが残ったものです
地衣類が覆っていてわかりにくいですが 他ではあまり見かけない姿の地蔵さんです
矩形に彫り窪めた中に薄肉彫りされた地蔵さんは
身の丈に不釣り合いな大きな顔で 僧衣の裾はスカートのように広がっています
胸の辺りが盛り上げられて まるで腕組みをしたお相撲さんのように見えます
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