2022年5月17日火曜日

名張市夏秋 倉たて地蔵

江戸時代前期の六地蔵石幢です
緑ヶ丘団地西側の外周部と名張川右岸の間の河岸段丘に沿って続いている小径の途中
緑ヶ丘団地の北西角から南下すると約350m
逆に団地の南西角にあたる夏秋橋東詰から北上すると300m弱
夏秋橋の東詰から北上した方が近いのですが このコースの方が道が狭そうなのと
夏秋橋付近で車を停めておく場所が難しいので
団地の北西角から歩いてみました

小径への入り口付近で市道がカーブしていて路肩が少し広くなっています 
30分程度なら迷惑にならずに済むでしょう
小径を進むと名張川の河原越しに黒田や短野の方が遠望できて気持ち良いのですが
ところどころに大型ゴミが不法投棄されていて気が滅入ります
10分も歩かないうちの左側に覆屋が見えてきました

重制石幢の龕部だけが残されたもの
龕部の上部に笠石と接合する際の枘が残っています
龕部の裏側は見ることができませんが
痛みがひどくて像容は定かではありません
摩耗が進んでいるだけでなく
正面左右の地蔵さんの顔が割られているように見えるのが気になります
小径の東側は団地が迫ってきていて
六地蔵さんがこの場所にあることには違和感を感じるほどです
開発の外縁部にとり残されたような地蔵さん 

昔のこの地の様子を想像することは難しですが
杣山からの木材の搬出で
名張川沿いの薦生への街道は賑わったことでしょう
街道の道中安全や川の水運の安全を祈っている地蔵さんだったでしょうか
でもその古道は この辺りでは名張川の左岸を通っているはずです
この小径が街道の古道には当たらないとおもいます
資料を探してみるとひとつだけ この地蔵さんを記録したものがありました
『夏秋 六地蔵石幢残欠 江戸前期』とあって
所在地には『墓地』とあります

地図を詳細にあたってみましたが付近に墓地は見当たりません
名張川の左岸には 川が大きく湾曲する内側の沖積地と 夏秋橋の西詰を南に下った辺りに墓地がありますが この石幢のある右岸に墓地は見当りません
墓地も ことによると地蔵さんも 団地の造成などの際に移動しているかもしれません

仲楽寺の六地蔵石幢 津市安濃町太田

安濃川の左岸に広がった田園は 南北に伸びる河岸段丘に遮られてしまって 田園と低い丘陵との境目に沿って集落が並んでいる 車で不用意に在所の小道に入り込んでしまうと 進退きわまってしまいそうで 離れた場所に車を捨てて しばらく在所の中を歩いていく 仲楽寺は明治時代に廃寺となって その...